世界初!自筆譜に完全準拠の「新世界から」の総譜 内藤彰校訂最新改良版総譜 ¥2500+税 |
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半音違いのファンファーレ(1楽章)、間違った和音の連続と旋律の音程違いも(3楽章)、半拍ずれたシンバルの一打(4楽章)他、今まで百箇所を超すミスのまま、世界中でズサンに演奏せざるを得なかった、指揮者泣かせのこの名曲が、世界で初めて過ちのベールを脱いだ!(数十箇所の大きな修正箇所の自筆譜完全提示) | ||||
1楽章 今まで半音違いのファンファーレが鳴っていた | 3楽章 舞曲直前の‘ため’を作る大切な ラ→シの音の変化は無視されラのまま… | 3楽章 trの上の音が半音高いまま4小節も続けられ | 4楽章 1番目立つCymbは1拍(2つ振りで半拍)ずれて鳴っていた | |
自筆譜 |
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初版 |
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改訂版 |
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内藤新校訂版 |
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初演以来百余年、ずっと指揮者を悩まし続けてきたこの曲のズサンで間違いに溢れた譜面!指揮者なら、間違っている箇所が無数あることなど誰もが知っていることだが、では正解は?と言われると、今迄ほとんど決め手を持たず、指揮者によってまちまちに各自の主観で修正して演奏するしかなかった。 同じ指揮者の立場で悩んでいた私は、この度世界中の全指揮者の救世主(笑)として、自筆譜に従いすべてドゥヴォジャークの意思通り(本人の誤りが確実な箇所はこちらで根拠を示し対処した)に修正した。おそらく大半の指揮者にとって、もやもやが一気に吹っ飛ぶ優れものだと自負している(中には単に優れものを超え、誰も考えもしなかった驚きの修正箇所も多く出現し・・・)。 私は幸いにも、多くの指揮者が悩んでいた楽譜の過ちを修正していくうちに、その無数にある過ちの価値を遥かに超える、おそらく指揮者の誰もが疑いもしていなかっただろう驚愕の副産物をしかも幾つも発見するに至った。それらは上の楽譜を見れば誰にも即座に納得できるだろう。1楽章の400小節における、まさかのファンファーレの半音の違い(Trbの赤丸で囲まれた記号はドゥヴォジャーク独特の♯の書き癖、彼の♮ は常に右下の四角で囲まれた独特の形のみ)他、各種音程や和音の誤り、重要なリズムのズレなどはおそらく誰も疑っていなかった大きな過ちであり、その他何度も出てくるリズムパターンの整合性の問題等々、驚異の過ちが白日の下にさらされた。 上記4か所と同じように、誤っていた数十箇所の修正根拠として、それらの自筆譜を新版の校訂頁にすべてカラーで提示した。または自筆譜そのものに問題がある箇所は、その解決方法を暗示した。他に初演のニューヨークフィルのパート譜をも参考にした(勿論このパート譜にも多くの過ちが存在しており、それらをドゥヴォジャーク自身、他の作曲家の場合と同様、初演時に立ち会いながらも多くのミスを聴き逃している)。今までも“自筆譜に基づいた改定版”と称し、枝葉の部分を数箇所修正したのみで、肝心な多くの重大ミスは何一つ修正されていない‘新版?’が、世界の著名出版社から複数出版されていたが、今回の「新改訂版」は、遥かに厳密な考証により、根拠を明らかにした上で、それらの数十倍にも及ぶミスの修正を施した。すなわち自筆譜との比較を中心に、百余箇所に亘る写譜師の不注意による誤写譜箇所の修正を始め、ドゥヴォジャーク自身のズサンな記譜が原因で、フレージング等の誤写譜を誘引した箇所は、音楽理論的観点を加味して不自然なフレージングを修正し(誤解を招かないように、すべてその過程を注意書きとして明示した)、また、初版の校訂者であったブラームス等により意識的に改ざんされたと思われる箇所等々は、根拠明示の上修正する等により【新世界から】の真の姿が世界で初めて明らかになった。 その主要な修正部分は、スコアの該当部の欄外にも自筆譜が添付してあり、指揮者が勉強中あるいは本番中にも容易に確認できるようになっている。 また大きな修正箇所については、自筆譜のコピーがパート譜の該当箇所にも添付してあり、奏者にも一目瞭然、その改良根拠を理解して演奏してもらえる世界で初めての画期的試みによる完成版。 4万語に近い詳細な校訂文は、日本語、英語、独語で書かれ、概略はチェコ語にも訳されている。また、ドゥヴォジャークのミスや不手際が原因と思われ、かつ誰もが絶対正解であるとは言いきれない箇所は、今まで大多数の指揮者が知り得ていなかったであろう新たな資料を提示することにより、最終的にそれらを考慮して指揮者それぞれが良いと思う解決方法を選択できるよう工夫した。 このようにあらゆる側面で、音楽学者ではなく指揮者だからこそ到達できた、世界で初の画期的校訂手段を採用しており、今後の他の新版作成上の模範となる新版と言えよう(ちなみに2018年末ごろ大手出版社から新版が出版予定だが、拙版はそれより遥かに詳細な修正が施されている)。 |
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(注) ‟ドボルザーク” 日本では誤ってこう呼ばれている。しかし、この旧文部省の役人がチェコでの発音を知らずに勝手に決めた日本語による呼び方は、大変失礼な過ちである。 かつて日本政府は韓国の大統領“金大中”氏をキンダイチュウと呼び韓国からひんしゅくを買った結果キムデジュンと修正したが、同様に“ドボルザーク”も、片仮名で表記できる最良の記載方法を選択すべきである。それは ‟ドゥヴォジャーク” である。皆で声を挙げ、文化庁に変更を求めようではないか! |
©Akira Naito
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